評価・改善 / セオリーオブチェンジ
セオリーオブチェンジとは。社会課題の事業で、変化の道筋を共有する
セオリーオブチェンジは、望ましい未来を掲げるための言葉ではありません。今の活動が、なぜその変化につながると考えるのかを、関係者と問い直すための枠組みです。
要点
- 望む変化から逆算して、必要な条件を考える
- 活動だけでなく、前提と外部要因を置く
- 関係者との対話を通じて更新する
最初に、変えたい状態を具体化する
「孤立を減らす」「地域を元気にする」といった大きな言葉を、誰にどんな選択肢や関係が生まれる状態かまで具体にします。変化の姿が見えると、今必要な活動を逆算できます。
対象者に近い人と、変化が起きた状態を短い文章で描きます。
変化の間にある条件を置く
活動から最終的な変化までには、参加者の行動、周囲の理解、制度、支援者の関わりなど、複数の条件があります。そこを飛ばすと、事業の期待が過剰になります。
変化の各段階で、何が起きる必要があるか、誰が関わるかを並べます。
前提と外部要因を、図の外に追い出さない
事業が直接動かせないことを無視すると、結果が出なかったときに原因を誤解します。制度変更、地域の状況、参加者の生活、協力機関の体制などを前提として書きます。
前提が崩れたときに、何を観察し、どの活動を調整するかを話します。
使いながら、道筋を直す
セオリーオブチェンジは完成した図を掲げるためのものではありません。試行や評価で分かったことを反映し、想定していた道筋が現場に合っているかを見直します。
定例や年度の節目で、変化、前提、活動の関係を関係者と再確認します。
「望ましい未来」を掲げるだけでは動かない
セオリーオブチェンジは、立派なビジョンを宣言するための言葉ではありません。今の活動が、なぜその変化につながると考えているのか——その因果の仮説を、関係者が問い直すための枠組みです。きれいな図を急いで完成させると、現場の違和感が表に出ません。
変化の道筋を描くときは、活動と最終的な成果の間にある「中間の変化」を飛ばさないことが肝心です。参加者の行動、周囲の理解、制度の動きなど、間にある段階を置くと、事業への期待が過剰になりにくくなります。
対抗仮説を、最初から図に入れておく
自分たちの想定どおりに変化が起きない説明——別の要因が効いた、対象者が違った、前提が崩れた——を最初から書いておくと、結果が出なかったときに原因を取り違えずにすみます。うまくいく筋書きだけを描くと、検証が甘くなります。
セオリーオブチェンジは完成図ではなく、更新される仮説です。試行や評価で分かったことを反映し、想定した道筋が現場に合っているかを定期的に見直すことで、初めて事業の判断に役立ちます。
よくある質問
セオリーオブチェンジとロジックモデルの違いは何ですか?
厳密な使い分けは組織によりますが、セオリーオブチェンジは変化の仮説や前提に重心を置き、ロジックモデルは活動から成果までの構造を整理する場面で使われます。
小さな事業でも作る意味はありますか?
あります。規模より、関係者が変化の道筋を共有できているかが重要です。簡単な文章や図から始められます。
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