評価・改善

ロジックモデルを会議で見直す:つながらない矢印の確認票

報告書に入れた図が現場の説明と合わないとき、箱を追加する前に矢印を一つ選びます。何が起きれば次の変化へ進むはずなのかを読み上げ、根拠と未確認の条件を点検します。

この記事で作るもの

既存の図に添える矢印の確認票。図の修正、活動の変更、追加調査のどれが必要かを分けて記録します。

図と運営記録を、同じ版で並べる

会議には現在のロジックモデル、直近の実施記録、前回の変更記録を持ち込みます。図にある活動を今も行っているか、対象者を変えていないかを先に確認します。違いがあるなら、矢印の議論に入る前に図の版を合わせます。

基本用語と作図の入口はEvalCompassのロジックモデルガイドを参照してください。この記事は新しい図を描く説明を繰り返さず、すでにある図を会議で点検する場面に絞ります。CDCの2024年評価枠組みでも、図は事業がどのように機能すると想定するかを示し、文脈や知見、活動の変更に応じて見直すものとされています。

「実施した」から「できるようになった」までを省略しない

研修後の職場実践を扱う説明用の架空例です。「研修を開催した→職場の対応が改善した」という矢印では、研修で理解したこと、実行する機会、周囲の協力が見えません。参加者の能力だけを原因にせず、途中の条件を尋ねます。

矢印の確認票(説明用の架空例)
点検するつながり成り立つための条件確認に使う記録反する情報が出たら
研修→手順を説明できる教材が業務場面と対応している場面課題への回答と説明教材・対象・説明方法を見直す
説明できる→職場で試す実行機会と必要な権限がある試した場面/試せなかった理由機会がなければ実践不足と採点しない
職場で試す→対応が変わる他の担当者との手順が一致する業務記録と関係者の聞き取り個人研修以外の調整を検討する

この表は因果関係を確認済みとするものではありません。各行の根拠がないなら「想定」と記し、確認する順番を決めるために使います。

言葉を直す問題と、仕組みを直す問題を分ける

「連携が進む」の意味が人によって違うなら、どの場面で誰が何をできる状態かを具体化します。一方、言葉は一致しているのに担当窓口がなく情報が渡らないなら、図の表現だけでは解決しません。役割や提供方法の見直しが必要です。

  • 言葉のずれ:観察する状態の例と、そうは呼ばない例を並べる。
  • 根拠の不足:結論を保留し、既存記録で足りるか追加確認が必要かを決める。
  • 実行条件の欠落:資源・権限・連携先を確認し、現行事業で変えられる範囲を決める。

図を全員の意見の寄せ集めにせず、異論が残る矢印には注記を付けます。合意していない因果関係を、清書の段階で確定線へ変えないようにします。

会議の出口は、次の確認と版の更新

変更箇所、理由、根拠の所在、未確認事項、担当、再確認日を残し、古い版も保存します。優先するのは、外れると対象者への提供や重要な判断が変わるつながりです。全段階へ機械的に指標を一つずつ置く必要はありません。

活動後に変化が見られても、その活動だけが原因とは限りません。参加前の状態、別の支援、制度変更などを確認する問いは、変化の道筋と別の説明を見直す記事で扱います。

参照資料と確認範囲

以下の公開一次資料を2026年9月23日に確認しました。記入表と検討手順は、本稿で提案する整理方法です。

確認票は本稿で設計した会議用の例です。図の整合が取れたことと、効果の因果関係が実証されたことは区別します。

中谷純

Written by

中谷 純 Jun Nakatani

企業・行政・NPOを横断し、新規事業の構想、合意形成、運営設計、評価・改善まで伴走する事業開発パートナーです。

  • 日本評価学会認定評価士
  • UmiNe合同会社 代表社員
  • 兵庫県宝塚市/全国オンライン
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図はあるのに、現場の説明と合わないとき

現在の図のうち説明しづらい矢印と、どの判断に使いたいかを整理してご相談ください。図の清書だけでなく、追加確認が必要な箇所を検討します。

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