事業開発 / 検証前の確認事項

新規サービスの価格を決める前に、原価と購入条件を確かめる

提供範囲と原価の数え方をそろえ、価格候補を試すための確認項目を整理します。計算例は仮定の数字です。実際の見積もりへの反応、購入・継続の記録、提供時間と照合して判断に使ってください。

先に「一件の提供」に含める仕事を決める

同じ料金でも、準備、打ち合わせ、修正、問い合わせ対応を含むかで負担は変わります。まず「含む作業/含まない作業/追加時の条件/支払い時期」を書き、原価を数える単位をそろえます。

見積もりの段階では、分かっている支出と、まだ測っていない時間を分けてください。担当者の作業時間をゼロとして扱わず、どの費用として計上したかを記録します。

損益分岐の計算は、価格候補の点検に使う

SBAは、単一の商品・サービスについて「固定費 ÷(一件の価格 − 一件の変動費)」で損益分岐の件数を見積もる式を示しています。同じ期間・同じ税の扱いでそろえ、価格が変動費を上回る場合に使う単純化した計算です。

説明用の架空例であり、実案件の成果ではありません。一か月の固定費が60,000円、一件の価格が12,000円、一件の変動費が4,000円なら、60,000 ÷ 8,000 = 7.5件です。件数を整数で扱うこの例では8件から計算上の費用を賄います。いずれも税抜きで統一し、担当者の報酬は固定費に含めた仮定です。

これは月8件売れるという予測ではありません。実際に提供できる件数が少ない、追加人員が必要、準備時間が想定より長い場合は、費用や提供範囲を見直します。入金と支払いの時期を含む資金繰りも、この式だけでは分かりません。

購入条件をそろえて、反応を記録する

「高いと言われた」だけでは、金額が理由か、提供範囲が伝わっていないのかを分けられません。提示した相手、内容、価格、条件、実際の回答や行動を同じ記録に残します。無料の体験への参加と、有料の申込みは別に数えます。

  • 記録する項目:対象者/提示内容と価格/回答・購入の有無/見送り理由/実際の提供時間。
  • 次の判断:価格だけを変えるのか、提供範囲や対象者を変えるのか。
  • 確認する限界:少数の既存顧客の反応を、新しい市場の需要へ一般化していないか。

価格判断を進めるために必要な資料

必要なのは、費用の見積もりだけでなく、実際の作業時間、同じ条件で提示した見積もりと結果、追加対応の記録です。複数サービス、継続課金、返金、税務などの条件がある場合は、計算方法と契約条件を個別に確認します。

使う人と支払う人の違いはビジネスモデルの整理へ。購入前の困りごとは顧客インタビューへ。価格を含む仮説の試し方は検証の設計へ進んでください。

参考資料と、この案内の範囲

米国中小企業庁(SBA)「Break-even point」:単一商品・サービスの損益分岐点を、固定費・単価・単位変動費で見積もる式を参照しています。日本の税務・会計処理を定める資料ではありません。

資料確認日:2026年9月23日。記入メモと確認の順序は、公開資料を踏まえた本ページの提案です。事業で実証した効果の報告ではありません。

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中谷純

Written by

中谷 純 Jun Nakatani

企業・行政・NPOを横断し、新規事業の構想、合意形成、運営設計、評価・改善まで伴走する事業開発パートナーです。

  • 日本評価学会認定評価士
  • UmiNe合同会社 代表社員
  • 兵庫県宝塚市/全国オンライン
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