事業開発 / ビジネスモデル 作り方

ビジネスモデルの作り方。価値、収益、運営を一緒に設計する

ビジネスモデルは、儲け方の図ではありません。誰に価値を届け、そのための資源をどう集め、どんな関係を続けるかを一つの仕組みとして考えることです。

要点

  • 価値を受け取る人と、費用を負担する人を分けて考える
  • 収益源を増やす前に、運営の複雑さを見る
  • 事業の核になる活動を見失わない

最初に、価値が生まれる場面を置く

ビジネスモデルを考えるとき、収益源から入りすぎると、事業の目的が後から変わってしまいます。利用者のどんな状況を変え、何を選びやすくするのかを出発点にします。

対象者の行動が変わる瞬間を一つ選び、必要な提供、関係、資源を逆算します。

受益者と支払者が違う場合を丁寧に扱う

地域や社会課題の事業では、価値を受け取る人と、費用を負担する人が同じとは限りません。ここを曖昧にすると、説明責任やサービスの優先順位がぶれます。

受益者、支払者、協力者それぞれが得る価値と負担を表にします。

収益源を増やす前に、運営の条件を確かめる

複数の収益源を持つことはリスク分散になりますが、請求、契約、報告、関係者調整が増えることもあります。収入の種類だけでなく、管理の負担まで含めて考えます。

各収益源が必要とする活動と、事業の核となる活動が両立するかを確認します。

モデルは、試行でしか確かめられない

図として整ったモデルでも、実際の支払い、紹介、運営は予想どおりに進みません。モデルを完成案にせず、何を試せば前提を確かめられるかまで設計します。

収益、継続、運営負荷のどれを先に検証するかを決め、小さな試行の結果で更新します。

「誰が払うか」を、価値の設計と分けて考える

ビジネスモデルでは、価値を受け取る人と費用を負担する人が一致しない場面が多くあります。とくに地域や社会課題の事業では、利用者は無料でも、行政や企業、寄付者が支える構造になりがちです。ここを曖昧にすると、誰の満足を優先するかがぶれます。

受益者、支払者、協力者がそれぞれ何を得て、何を負担するのかを並べて書くと、説明責任の所在や、サービスの優先順位を判断しやすくなります。お金の流れと価値の流れは、別々に描いてから重ねる方が整理できます。

収益源を増やす前に、運営の複雑さを見積もる

収入の柱を増やすことはリスク分散になりますが、その分だけ契約、請求、報告、関係者調整といった運営の手間も増えます。新しい収益源が事業の核となる活動と両立するのか、現場の負担を圧迫しないのかを先に確かめます。

一つひとつの収益源について、それを成り立たせるために必要な作業を書き出してみると、見かけの売上ではなく、手元に残る時間と利益が見えてきます。少ない柱を太くするという選択も、立派な戦略です。

よくある質問

非営利の活動にもビジネスモデルは必要ですか?

必要です。利益の最大化ではなく、価値を届け続けるために、資源、役割、財源の関係を整理する意味があります。

ビジネスモデルキャンバスは使うべきですか?

整理の入口として有効です。ただし項目を埋めることより、各要素の前提を関係者と話せることを重視します。

中谷純

Written by

中谷 純 Jun Nakatani

企業・行政・NPOを横断し、新規事業の構想、合意形成、運営設計、評価・改善まで伴走する事業開発パートナーです。

  • 日本評価学会認定評価士
  • UmiNe合同会社 代表社員
  • 兵庫県宝塚市/全国オンライン
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