伴走支援 / ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントの始め方。知識を集める前に、使われる流れをつくる

知識が散らばる原因は、共有ツールがないことだけではありません。何を残し、誰がいつ使うのかが決まっていないことにあります。

要点

  • 記録する知識を、判断に必要なものへ絞る
  • 保管場所より、使う場を先に決める
  • 個人の経験を、再利用できる言葉にする

最初に、繰り返し迷う場面を探す

ナレッジマネジメントは、すべての情報を集める取り組みではありません。問い合わせ対応、例外処理、引き継ぎなど、同じ質問や迷いが繰り返される場面から始めると効果が見えます。

担当者が毎回確認していることや、過去の資料を探している場面を聞き取ります。

経験を、結論だけで残さない

成功事例だけを共有しても、別の状況で再現できません。何を見て判断したか、どんな条件があったか、うまくいかなかった場合はどうしたかまで残します。

短い事例として、状況、判断、結果、次に使うときの注意を記録します。

保管場所より、参照する習慣をつくる

共有フォルダやツールを整えても、会議や業務で参照されなければ知識は眠ります。定例で過去の事例を一つ見る、引き継ぎで必ず参照するなど、使う場を決めます。

検索しやすい分類は、実際に使う人の言葉で見直します。

更新の担当を、一人に集中させない

知識の整理を特定の人だけが担うと、更新が止まり、古い情報が残ります。作成、確認、更新の役割を小さく分け、現場で使った人が直せる状態をつくります。

古くなった情報を見つけたときに、簡単に修正を提案できる仕組みを用意します。

知識が散らばるのは、ツールがないからではない

ナレッジマネジメントというと、共有ツールの導入を思い浮かべがちです。しかし知識が散らばる本当の原因は、何を残し、誰がいつ使うのかが決まっていないことにあります。すべてを集めるのではなく、繰り返し迷う場面から始めるのが近道です。

問い合わせ対応、例外処理、引き継ぎなど、同じ質問や迷いが繰り返される場面を選び、その判断に必要な知識だけを短く残します。効果が見えれば、記録する習慣も根づきやすくなります。

成功事例より、判断の過程を残す

うまくいった結果だけを共有しても、別の状況では再現できません。何を見て判断したか、どんな条件があったか、うまくいかなかったときにどうしたかまで残すことで、知識は他の場面でも使えるものになります。

保管場所を整えても、会議や業務で参照されなければ知識は眠ります。定例で過去の事例を一つ見る、引き継ぎで必ず参照するなど、使う場を決めることが、ためた知識を生かす鍵です。

よくある質問

ナレッジマネジメントに専用ツールは必要ですか?

最初は既存の共有フォルダや文書でも始められます。大切なのは、誰が何のために使うかであり、ツールはその後に選びます。

暗黙知をどう記録すればよいですか?

実際のケースをもとに、状況、判断、理由、例外を聞き取ります。手順だけでなく、迷ったときの考え方を残します。

中谷純

Written by

中谷 純 Jun Nakatani

企業・行政・NPOを横断し、新規事業の構想、合意形成、運営設計、評価・改善まで伴走する事業開発パートナーです。

  • 日本評価学会認定評価士
  • UmiNe合同会社 代表社員
  • 兵庫県宝塚市/全国オンライン
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